マニラ合唱祭感想文 KLグリークラブ 秋元啓孝
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バンコク、クアラルンプール、そして今年はマニラと、私は第1回から全て参加させて頂いている。第1回はあれよあれよという間に実現してしまったことに驚き、第2回は合唱祭を定期イベントにするために絶対に必要であると共にホスト国という緊張があった。今年は直前まで長期出張等バタバタしていたためか、え、もうマニラか、という感じであった。
定期イベント化の実現は、クアラルンプール前夜祭にてマニラが次回開催地に立候補したということで、何ら懸念材料ではなくなっていたが、マニラの皆様が引き受けて下さったのは、開催に伴う綿密な準備とご苦労の全てである。お仕事の合間に貴重な時間を割き、滞りなく合唱祭を運営し成功に導いた事に対し、心から感謝したい。
このアジア合唱祭のみならず、聴衆に聞いて頂くために舞台に立つというのは緊張するものである(以前のように手が震えることはなくなったが)。そんな中でも私にとってのアジア合唱祭の楽しみは、他のグリーの演奏を客席で聴く事と、合同合唱だ。両方ともアジア合唱祭でのみ可能な、貴重な体験である。
各国グリーの演奏は、選曲、演出、どれをとっても似たものはない。舞台に立つ人数を考え、本格的な合唱曲であれ、歌謡曲であれ、歌唱が最高に引き立つようにとの努力が感じられた。以前に歌ったことのある曲もあり、一緒に口ずさんだり、苦しそうな表情を見れば、そうそう、そこトップは散々歌った後の高音で苦しいのだよね、などと同情したり。何より、一度に複数の男声合唱を聴く機会はめったにないのである。
合同合唱もまた合唱祭ならではである。100人近くの男声合唱は、めったにないのではなかろうか。しかし、今回は難曲であった。誰でも知っている日本の歌でありながら、表情を付けるのがこんなにも難しいとは。しかも、大人数で限りなく小さな音を出す。一人一人がどれだけ小さい音にすれば、その100人分でも客席で小さく聞こえるのだろうか。いっそうの事、黙っていようかとも思った。
さて、最後に反省だが、第3回まで全て参加しているからだろうか、何となく自分の気持ちの中に、変な慣れが出来てしまったような気がした。リラックスしたというのとは違うと思うのである。それは特にKLグリーの演奏で舞台に立った時の自分の気持ちの持ち方だろうか。過去にもコンサートで歌った曲だったための、自分の気持ちの中の変な慣れ。これではいけないと思うのである。自分は歌ったことはあっても、聴衆にとっては初めての曲ということを考え、原点に帰って取り組もうと心新たにした次第である。